『クエスト』タイロン・モンゴメリー&トーマス・ステルマック

 

『クエスト』

タイロン・モンゴメリー &トーマス・ステルマック/ドイツ/1996

Quest(Tyron Montgomery & Thomas Stellmatch)

 

乾燥した感じと、荒廃した感じ、

それに伴う音と質感がこの世の果てともとれる絶望感を増徴させている。

いつまで経っても終わらない地獄。

決して手の届かない希望。

しかし、終わらないループの中にある一瞬の希望こそが、

生きている希望とも感じられる。

 

第69回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞

『ハーヴィー・クランペット』アダム・エリオット(字幕なし)

『ハーヴィー・クランペット』

アダム・エリオット/オーストラリア/2003

Harvie Krumpet (Adam Elliot) 

 

ハーヴィー・クランペット氏の一生を描いたクレイアニメーション

アメリカのカートゥーンみたいな風貌で、さぞかし愉快で楽しいドタバタ騒ぎが繰り広げられるのかと思いきや、頭から終わりまでナレーションが入り、とてもプレーンに描かれる。

誕生も、障害も、死も、性も、その他いろいろも、すべて並列に並べられ語られ、

いつでも彼は笑っている。

 

フォレスト・ガンプ』的短編アニメーション。

しかし、『フォレスト・ガンプ』は2時間以上かかっているけど、こちらはたったの22分で描いている。(短ければいいというわけではないけれど)

 

ナレーションをジェフリー・ラッシュがやっているからか、

『シャイン』を思い出した。

裸にガウンでジャンプする有名なシーンと、ラストシーンが重なった。

 

第76回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞。

『ぼくらと遊ぼう!』(出会いの話)ブジェチスラフ・ポヤル

『ぼくらと遊ぼう!シリーズ』(出会いの話)ブジェチスラフ・ポヤル/チェコ/1965

 

とぼけたくまの兄と、悪戯好きの調子のいい弟くまの楽しいお話。

手や足が急に伸びたり、何にでも変身できるくまの兄弟が愉快痛快。

意外なものにまで変身し、ころころ変わる身のこなしはまるで手品のよう。

声がおじさんみたいなのも、ドラえもん(先代)のような暖かさやゆるさがありほほえましい。

子供は思う存分楽しめるし、大人は童心に帰れる。

ボーダーのシャツや、ちょこんと乗った帽子、カラフルな背景や、可愛らしい美術、

外国の絵本を見ているようなビジュアルが

ちょっとお洒落な気分にもなれて、子供も大人もワクワクする。

『アダム』ピーター・ロード

 

『アダム』ピーター・ロード/イギリス/1991年

 Adam (Peter Load)

 

アードマン・アニメーションズの創始者ピーター・ロードによる、クレイアニメーション

コミカルな動きとたたみかけるように次々起こる出来事により、惑星+男(ときどき手)という非常にシンプルな構図にもかかわらず全く飽きない。

カッコつけたり、何か企んだり、コロコロ変わる男のお調子者っぽい表情と、時々現れる実写の大きな手の対比が面白い。

変幻自在に変形する粘土の地面(惑星)も気持ち良い。

 

第65回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート