『本棚の世界』ガリク・セコ

 

 『本棚の世界』ガリク・セコ/チェコ/1982年

  Ex Libris (Garik Seko)

 

すごくバカバカしくも見えて笑っちゃうのだが、ふと我に返ってハッとする。

これは本を擬人化して描いた人間の生態。

哲学書、図鑑、小説、写真集、辞書、厚い本、薄い本、大型本、小さな本、様々なパーソナリティがあり、人間が演じていない為客観的に見られるのだが、だからこそ面白くもあり悲しくもあり、感慨深いものがある。

冷静に見られる分、色々考えさせられる。

リアルな音がとても気持ちよくて良い。

 

 

 

『ジャスパー君とお化け屋敷』ジョージ・パル

『ジャスパー君とお化け屋敷』(字幕なし)

ジョージ・パル/アメリカ/1942年

Jusper and The Haunted House(George Pal)

 

 タイトルは、正式な邦題がわからなかったので、直訳しました。

 

 お化け屋敷や、魔法、手品など、不思議な出来事と人形アニメーションの相性は抜群に良い、と思っている。無くなる影法師、ポルターガイスト、消えるパイ、透明人間…

動くはずのないものを動かす、アニメーション自体が手品のようなものなのだから。

 お化け屋敷で起こる不思議な出来事が、愉快な音楽と、パペトゥーン※ならではのコミカルな動きやジャスパーくんのユニークな仕草で、とても楽しいお話に仕上がっている。英語がわからなくても十分楽しめる作品です。

 

※パペトゥーン

置き換えを用いた手法によるコミカルな人形アニメーションのこと。パペット+カートゥーンの造語。ジョージ・パル本人により名付けられ、主に彼のアニメーション作品を指す。

『死後の世界』イシュ・パテル

『死後の世界』イシュ・パテル/インド・カナダ/1978年

AfterLife (Ishu Patel)

粘土の厚みに光を透過させて陰影をつけた、とても特殊なアニメーション。

粘土の柔らかさや形の定まらなさを活かして、変幻自在にメタモルフォーゼしていく様は、美しいような、気持ち悪いような、なんともいえない質感を出している。、

溶けるような滑らかな肌、マグマのような赤黒く光る色、ぐにゃぐにゃと蠢めくシワ、消え入るように包まれる、広がる闇、

天国のようで地獄のよう。

真っ暗闇の中で柔らかく光る人影は、まるで寺院で仏像を見ているかのようで、仏教的なイメージもある。

『快適な生活』ニック・パーク

『快適な生活』ニック・パーク/イギリス/1989年

 Creature Com(Nick Park)

 

アードマンの看板監督、ニックパークの初期作品。

動物園で過ごす動物達の生活をインタビュー形式で綴る。

人間のような描写、動物特有のしぐさ。完全なリップシンク

イデアと技術が素晴らしい。

アカデミー賞短編アニメーション賞受賞。

 

『結んだハンカチ』  ヘルミーナ・ティールロヴァー

『結んだハンカチ』ヘルミーナ・ティールロヴァーチェコ/1958年

 Uzel na kapesníku (Hermína Týrlov)

 

チェコの女流アニメーション作家、ヘルミーナ・ティールロヴァーの代表作。

男の子がハンカチを持たずに出かけてしまい、ハンカチは慌てて追いかける。

くるっと結んだ頭、両角の手のような動き、物の擬人化を行わせたら天下一、と言っていいほど、ハンカチの動きが素晴らしく可愛らしい。