『頭山』 山村浩二

『頭山』山村浩二/日本/2002

Mt.Head (Koji Yamamura)

 

シュールな落語として有名な「頭山」のアニメーション化。

牧歌的で愉快な前半と、狂気的な後半。

男はただ頭の上が忌まわしくて死んだのではなく、

頭を通じてこれまで気にも留めてこなかった自分の姿が見えてしまい、

いたたまれなくなって死んだのかしら。

 

第75回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート

『月曜休館』ウィル・ビントン、ボブ・ガードナー

『月曜休館』ウィル・ビントン、ボブ・ガードナー/アメリカ/1974

Closed Mondays (Will Vinton 、 Bob Gardiner)

 

カリフォルニアレーズンのCMを手がけたことや、「クレイメーション」としてクレイアニメーションを広めた人物の一人として有名なウィル・ビントンの作品。

 

ウィスキー瓶を持った男がフラフラと夜のギャラリーに入っていく。

ドアには「月曜休館」の文字。

酔っ払った男の前で絵画やオブジェはグニャグニャと動き出し、

男の表情もグニャグニャと変わる。

粘土の柔らかくしっとりとしたツヤっぽい質感と、

グニャグニャと荒っぽくメタモルフォーゼしていく様子が、

酔っ払いの面倒臭さや狂気じみた感覚に妙にマッチしていて絶妙に気持ちいい(悪い)。

 

第47回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞

『リジェクテッド』 ドン・ハーツフェルト

『リジェクテッド』ドン・ハーツフェルト/アメリカ/2000年

Rejected (Don Hertzfeldt)

 

子供番組のために制作したにも関わらず拒否されお蔵入りになってしまった作品、が、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるという特異な作品。

紙にペンで描いた絵や皺や穴やブレなど、手法をミックスさせた表現が特徴的だが、CGや合成ではなく全て撮影しているそうだ。これに限らず他の作品もすべて。

(日本のアニメにおけるコンポジット的な撮影のことではなく、実際にカメラで撮影して作られている。)

以前誰かに、

皆がカメラを持って編集できて配信できるこのご時世、

映画(映像)を作る時、撮影方法や表現・手法など、何か発明しないといけない。

と言われたことがある。

まさに彼の作品は実験や発明に近い。

何を作るかではなく、作りたい何かをどう実現するか。

 

今年再びノミネートされている『明日の世界』に要注目。

優しくて詫びしいストーリー。

デジタル作画、背景、可愛いらしい子供の声に導かれて完成したというこの作品は

また、進化している。

 

第73回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート作品

『ロゴラマ』 H5(フランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシー、ルドヴィク・ウプラン)

『ロゴラマ』

H5(フランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシー、ルドヴィク・ウプラン)

/フランス/2009

Logorama (François Alaux, Hervé de Crécy, Ludovic Houplain)

 

全部ロゴ。

人も、建物も、景色も、全てロゴでできている。

その数3000以上。

POPな色使い、愉快なキャラクター、主張強めな文字情報(企業名・商品名・キャッチコピー)。

一見ごちゃごちゃしていて気が狂いそう!と思いきや、よくよく考えてみると普段生活してる自分のいる世界もこんなものかもしれない。

「このロゴ知ってる!」「このロゴなんだろう?」「こんなところにもロゴが!」

みたいな、宝探し的楽しさもある。

分かるロゴが多いほど、受ける感情は大きいに違いない。

 

第82回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞

 

YouTubeの再生Windowの埋め込みはできませんでしたが、下に出ているYouTubeマークと「youtu.be」をクリックすると、作品が見られます。

 

『クリスマスの夢』カレル・ゼマン

『クリスマスの夢』カレル・ゼマンチェコ/1946

A Cristmas Dream (Karel Zeman)

クリスマスプレゼントに新しい人形をもらった女の子は、

古くなった人形を放り投げて大喜び。

投げ出された古い人形は立ち上がり、彼女にアピールを始める。

踊るように歩き、笑うように踊る。

人形らしいコミカルで可愛い動き。

歩くだけで彼のキャラクターが手に取るようにわかる。

「クリスマスの夢」というタイトルは、クリスマスの夜に女の子が見た幻想、という意味と、クリスマスの夜にサンタクロースが古い人形に与えた希望、という意味とのダブルミーニング