『大いなる河の流れ』フレデリック・バック

『大いなる河の流れ』フレデリック・バック/カナダ/1993年

Le Fleuve aux grandes eaux(Frédéric Back)

 

セントローレンス河にまつわる自然・生命・文化・歴史・人々 が描かれた、色鉛筆画によるアニメーションです。

自然の雄大さ、歴史の深さ、に比べたら人間の歴史はちっぽけかつ愚かなもので、たくさん間違いながらも進展してゆく様が伺えます。

水中生物がテーマの自然作品かと思いきや、文明発達の歴史に移り、気づけば環境問題を交えた社会派ドキュメンタリーとして幕を閉じる。河を通じた多角的な視点が展開されます。

しかし、なんといっても冒頭の水中描写が秀逸で、優雅に泳ぎ回る水中生物と交差する水泡のきらめきが、今流行のネイチャードキュメンタリー顔負けの美しさ。色鉛筆のタッチの細かさが、しぶき・きらめき・水泡の描写に絶妙にマッチし、リアリティを超えた幻想的な水中世界を生み出しています。

夏の暑さも冷やしてくれそうな、雄大な蒼。偉大な体感できます。