『幽霊船』大藤信郎

『幽霊船』大藤信郎/日本/1956

美しい光のレイヤーの中、優雅に蠢くシルエット。

濃い影、薄い影、濃い色、淡い色

本当に影絵なのかと疑いたくなるほど繊細で滑らかな動きや造形の連続に
思わず目が離せなくなります。

エキゾチックな音楽と歌詞のないコーラスが美しさと恐ろしさを増長し、
明度の高い色鮮やかな映像にもかかわらず、終始不気味な雰囲気が漂います。

白昼夢や蜃気楼のような、
まるで真昼に悪夢を見ているよう。

オープニングがメイキングになっているのがユニークですね。

『ぼくらと遊ぼう! 水辺の話』ブジェチスラフ・ポヤル

『ぼくらと遊ぼう! 水辺の話』ブジェチスラフ・ポヤル/チェコ/1965

 

いたずら好きの大きなクマと、優しい小さなクマが繰り広げる、チェコのアニメーションシリーズ。

大きなクマのずる賢さや、小さなクマの気弱さは、まるで本当の兄弟のを見ているようで微笑ましいです。

そして、変身が得意で自由に姿を変えられる二人のやりとりが面白い!

伸びたり縮んだりロボットになったり機械になったり

思いもよらない変身が立て続けに起こるので、見ていて飽きることはありません。

その方法もとてもユニークで、素材や表現方法も多種多様、

「なるほど!」と「どうやっているんだろう?」の連続で、大人も唸ってしまいます。

この回では、揺らめく水面や光の反射、透明で柔らかなシャボンの玉が印象的。

ビヨーンと伸びーる浮き輪や、湖に飛び込むウサギの描写を見ていたら、

プールに行きたくなってきました。。。

『大いなる河の流れ』フレデリック・バック

『大いなる河の流れ』フレデリック・バック/カナダ/1993年

Le Fleuve aux grandes eaux(Frédéric Back)

 

セントローレンス河にまつわる自然・生命・文化・歴史・人々 が描かれた、色鉛筆画によるアニメーションです。

自然の雄大さ、歴史の深さ、に比べたら人間の歴史はちっぽけかつ愚かなもので、たくさん間違いながらも進展してゆく様が伺えます。

水中生物がテーマの自然作品かと思いきや、文明発達の歴史に移り、気づけば環境問題を交えた社会派ドキュメンタリーとして幕を閉じる。河を通じた多角的な視点が展開されます。

しかし、なんといっても冒頭の水中描写が秀逸で、優雅に泳ぎ回る水中生物と交差する水泡のきらめきが、今流行のネイチャードキュメンタリー顔負けの美しさ。色鉛筆のタッチの細かさが、しぶき・きらめき・水泡の描写に絶妙にマッチし、リアリティを超えた幻想的な水中世界を生み出しています。

夏の暑さも冷やしてくれそうな、雄大な蒼。偉大な体感できます。

『ポッツィー 水族館』ミッセーリスタジオ

『ポッツィー 水族館』ミッセーリスタジオ/イタリア

Pozzie eps. the Aquarium (Misseri studio)

 

このアニメーション、本物の水を使っているようです。

水特有の表面張力の盛り上がりと、透明感と、揺らぎをうまく利用して作られています。

水玉坊やが自由自在に周りに同化して、変幻自在なのも水ならでは。

そして水の中を泳ぎ回る金魚の優雅さよ。透き通った向こうに見える、色あざやかなにじみも実に涼しげ。

可愛い子供の声になんだかホッとします。

この夏の暑さに疲れた心と体を癒してくれるような、そんな作品です。

 

『Dots』ノーマン・マクラレン

『Dots』ノーマン・マクラレン/カナダ/1940

Dots (Norman McLaren)

 

点が音に合わせて形を変えたり動き回ります。

ただそれだけのシンプルなアニメーションですが、

音・形・動き・タイミング、それらのシンクロがとても気持ちよくて、

1分37秒と言う短い時間が、きっともっと短く感じるはず。

季節柄、夜空に弾ける花火を見ているような、そんな気持ちにもなってきますね。