『Thought of You 』ライアン・ウッドワード

『Thought of You』ライアン・ウッドワード / アメリカ / 2010

Thought of You ( Ryan Woodward)

 

身体表現とアニメーション表現。

この、ライアンウッドワードさんという方は

アメリカでアニメーターやデザイナー、ストーリボードアーティストとして活動している方で

未公開シーンを追加され、10月に18年ぶりの公開が決まった『アイアン・ジャイアント』にも関わられているそうです。

ちなみに、この『Thought of You』が好評で、Googleのロゴを作ったこともあるのだとか。

『年をとった鰐』山村浩二

『年をとった鰐』山村浩二 / 日本 / 2005

The Old Crocodile / Koji Yamamura

 

レオポルド・ショボーの同名の絵本が原作のアニメーションです。

不条理で、神話的で、キリスト教的で、自己中心的で、寓話的で、

暖かくもあり、冷たくもあり、微笑ましくもあり、悲しくもあり、

非常にシンプルなお話ですが、非常に複雑な感情が湧き上がってくるアニメーションです。

そして、絵本の絵柄に忠実に作られています。

 

ちなみにこのアニメーション、英語バージョンもあります。

どちらもピーター・バラカンさんがナレーションをつとめられています。

なるほど!

見比べてみるのも味わいがあります。

『老婦人と鳩』シルヴァン・ショメ

『老婦人と鳩』シルヴァン・ショメ / フランス / 1998

The Old Lady And The Pigeons (Sylvain Chomet)

 

『べルヴィル・ランデブー』や『イリュージョニスト』などの長編アニメーションで有名なシルヴァン・ショメ監督の処女作です。

最近では『ぼくを探して』という実写映画も撮っていましたね。

さて、これは22分の短編です。

もはやホラーです。

ホラーを通り越してコメディです。

セピア調のノスタルジックな色合い、バンドネオンの哀愁漂う音色、

ホラーからもコメディからも程遠いムードの中で、淡々と時は迫って行きます。

Xデー 、いや、X’masに。

時間経過の描写や、それを切り取るカメラワークが面白い。

台詞がなくても、動きや仕草など細部にこだわった演出が十分物語や関係性を描き出しているので、

まったくわかります。

皮肉っぽいところや、変に素直なところがあり、

見るからに気難しそうな口ひげを携えた貧しい老人が横柄だったり、

ヒョコヒョコ動く裕福な可愛らしい老婆が残忍であったり、

偽善で描かれないのがフランスらしい。

でも、老人が鳩を殴る時「ポコ」と可愛らしい音と動きで、本気で殴っていない”遠慮”を感じたので

その時、「あ、この人横柄だけど悪い人じゃないかも!」と思いました。

処女作なので、若干の絵のタッチの違いはあれど、

背景描写の緻密な描き込みはすでにこの頃から健在、ブラックユーモアに満ちたショメ節はどの作品よりも強いかも。

 

アヌシーや広島、イギリスなどの各国のアニメーションフェスティバルで受賞。

アカデミー賞短編アニメーション部門にもノミネートされました。

『悲しみの白クマ』コ・ホードマン

『悲しみの白クマ』コ・ホードマン/1992/カナダ

The Sniffing Bear(Co Hoedeman)

 

出てくる動物が全部紙で描かれています。

白クマ、白フクロウ、アシカ、オオカミ

立体アニメーションなのですが、紙を切り抜いて作られています。

 

和紙の紙漉き体験で作るような荒い目のテクスチャだったり、

黒いつぶつぶのテクスチャが入っていたり、

黒っぽい中に白みがかったテクスチャがついていたり、

キャラクターに合わせて紙も使い分けられています。

それが動物の毛並みの違いのようにも見えてくるんですよね、不思議。

そしてもちろん紙ですから、ペラペラなんです。

向きを変える時、振り返る時、倒れる時、ペラリーンとしなります。面白いでしょ。

素材感丸出しなのですが、でも、動きはとっても繊細です。

おそらく、何百枚、何千枚と置き換えの型を用意しているのでしょう。

気が遠くなりそう。。。

ものすごくシンプルでありながら、ものすごく手の込んだことをしているんですね。

お話もとってもシンプル。ダメ、絶対。的な。

動物で描くからこその強度があります。彼は生きることを選択した。

強い!

白クマの悲しみとは、果たして何だったのでしょう。

『おやすみ、クマちゃん 〜エピソード1・クリスマスツリー〜』

『おやすみ、クマちゃん  〜エピソード1・クリスマスツリー〜』/ポーランド/1975

Miś Uszatek

ポーランドの老舗人形アニメーションスタジオ「セ・マ・フォル」で1970年代に制作された

子供のためのアニメーションシリーズです。

クマちゃんの素朴な日常が描かれ、最後は毎回「おやすみ」でおしまい。

それで、「おやすみ、クマちゃん」なんですね。

人気シリーズだったようで、全部で100話以上作られたとか。

これはエピソード1というからには初回なのかな。

クマちゃんが、完全なるクマというよりもテディベアに近かったり、

ポップでカラフルで淡い色合いがかわいらしかったり、子供が好きなテイスト満載です。

10年ほど前に、写真美術館で厳選話数を幾つか上映したことがあり、私はその時に観ました。

吹き替え版だったのだけれど、確かケロポンズが吹き替えと歌を行っていたような。

しかし海外のアニメーションを見るといつも不思議に思うのですが、

素朴な味わいのおじさんや、おばさんが声をあてていることが多くないですか?

「僕らと遊ぼう!」とか、「チェブラーシカ」のシャパクリャクおばあさんとか。

日本人はアニメ声が発達したということもあって、高くて通る、まろやかな声が好きなんでしょうか。