『悲しみの白クマ』コ・ホードマン/1992/カナダ
The Sniffing Bear(Co Hoedeman)
出てくる動物が全部紙で描かれています。
白クマ、白フクロウ、アシカ、オオカミ
立体アニメーションなのですが、紙を切り抜いて作られています。
和紙の紙漉き体験で作るような荒い目のテクスチャだったり、
黒いつぶつぶのテクスチャが入っていたり、
黒っぽい中に白みがかったテクスチャがついていたり、
キャラクターに合わせて紙も使い分けられています。
それが動物の毛並みの違いのようにも見えてくるんですよね、不思議。
そしてもちろん紙ですから、ペラペラなんです。
向きを変える時、振り返る時、倒れる時、ペラリーンとしなります。面白いでしょ。
素材感丸出しなのですが、でも、動きはとっても繊細です。
おそらく、何百枚、何千枚と置き換えの型を用意しているのでしょう。
気が遠くなりそう。。。
ものすごくシンプルでありながら、ものすごく手の込んだことをしているんですね。
お話もとってもシンプル。ダメ、絶対。的な。
動物で描くからこその強度があります。彼は生きることを選択した。
強い!
白クマの悲しみとは、果たして何だったのでしょう。