『失われた手袋の世界』 イジー・バルタ

『失われた手袋の世界』(1/2 & 2/2)

イジー・バルタ/チェコ/1982年

The Vanished World of Gloves (Jirí Barta)

 

人類の文明の比喩で皮肉でコメディでパロディ。

 

発掘された手袋と記録フィルム。

偶然掘り起こしてしまった作業員の男。

映し出される手袋の世界。

愛憎、独裁、乱痴気騒ぎなど、

同時に男の手元がクローズアップされ、

生身の手が酒をつかみ、煙草に火をつけ、指を鳴らす。

そして、また作業に戻る。

手袋は、再び埋められる。

 

女性用の手袋は、マダムのように、優雅に小指を立て、

軍手は、薄汚れて豪快に荒々しく、

手袋たちが、本当に、よく動く。

『カノン』ノーマン・マクラレン

『カノン』ノーマン・マクラレン/カナダ/1964

Canon(Norman McLaren)

 

チェス盤のような市松模様の板の上をサイコロが転がるアニメーションと、人間の実写のアニメーションの2編からなる。

動きは非常に構成的で数学的、プログラミング的。

しかし、制御された動きの中に、時折現れる不規則な動きが心地よい。

小池屋スコーンのCMや、アルゴリズム体操の元ネタ、佐藤雅彦さんが多大な影響を受けている作品であることは有名。

『Fresh Gracamole』PES

 

『Fresh Gracamole』PES/アメリカ/2013

 

実写を用いたユニークな手法で人気のPESのアニメーション。

身の回りの似た形状のものを用いて料理をする様子が、軽快に描かれ、

榴弾や、電球など、いかにも硬そうなものが、

すばらしい切れ味でさくさく調理される様は本当に気持ちいい。

 

2013年アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート

『本棚の世界』ガリク・セコ

 

 『本棚の世界』ガリク・セコ/チェコ/1982年

  Ex Libris (Garik Seko)

 

すごくバカバカしくも見えて笑っちゃうのだが、ふと我に返ってハッとする。

これは本を擬人化して描いた人間の生態。

哲学書、図鑑、小説、写真集、辞書、厚い本、薄い本、大型本、小さな本、様々なパーソナリティがあり、人間が演じていない為客観的に見られるのだが、だからこそ面白くもあり悲しくもあり、感慨深いものがある。

冷静に見られる分、色々考えさせられる。

リアルな音がとても気持ちよくて良い。

 

 

 

『結んだハンカチ』  ヘルミーナ・ティールロヴァー

『結んだハンカチ』ヘルミーナ・ティールロヴァーチェコ/1958年

 Uzel na kapesníku (Hermína Týrlov)

 

チェコの女流アニメーション作家、ヘルミーナ・ティールロヴァーの代表作。

男の子がハンカチを持たずに出かけてしまい、ハンカチは慌てて追いかける。

くるっと結んだ頭、両角の手のような動き、物の擬人化を行わせたら天下一、と言っていいほど、ハンカチの動きが素晴らしく可愛らしい。