『The House』ダーヴィド・ブオブ

『The House』 ダーヴィド・ブオブ/ドイツ/2011

The House( David Buob)

 

天地左右、視点が自由自在で

壁が天井になったり、床が壁になったり、さらには描かれているものに回り込んで、ペラッペラの薄っぺらな紙のように見えたり。

落書きのようなイラストが、空間の中を自由に動き回り、まるで水槽の中を覗いているかのよう。

水槽のガラスと中に入っている水がレンズの効果になって、覗き込むと目がおかしくなるアレです。

水彩風の色むらと、ラフスケッチのような鉛筆線の輪郭が

3D空間の中でのびのびと蠢いています。

別世界に迷い込んでしまったかしら。

 

髪の毛がワカメになったり、パスタが金髪になったり、椅子が歩き出したり、

連想ゲームのような予想外の展開の中に、

繰り返しの中少しずつ違っていく展開に

さらに酔いしれること間違いなしです。

 

訳も分からず巻き込まれて、気付いたら鼻歌歌っているはず。

『愛のために死す』ギル・アルカベッツ


Morir de Amor

『愛のために死す』ギル・アルカベッツ/2004年/ドイツ

 

ストーリーテラーは、このつがいのオウムです。

独り身になった老人が家族のように可愛がって育てているのだと思われます。

 

オウムたちは物真似上手で、

振り子時計、壁にかかった写真、

目に入るものから連想される音を口真似して遊んでいます。

そのうちに、懐かしい思い出が蘇っていきます。

しかし、思い出とは悲しいかな正直なもので、

様々な事柄が連鎖するうちに、思い出したくないことまで思い出してしまいます。

 

美しかった午後の昼下がりのうたた寝タイムは一気に大逆転。

 

話はかなり皮肉が効いていますが、

重くなりすぎず軽やかで、工夫に満ちていて、面白おかしくシンプルに構成されており、気軽に楽しめる作品です。

「シンデレラ」ロッテ・ライニガー

Cinderella (Aschenputtel) – Lotte Reiniger (1922)

「シンデレラ」ロッテ・ライニガー/ドイツ/1922

これは影絵のアニメーションです。

ところで、

映写機もプロジェクターも、強い光を放ちスクリーンに像を映し出す。

テレビもPCもスマホも町中に溢れるデジタルサイネージも、発光して像を描く。

しかし、当たり前のことすぎて、光っているということを忘れてしまいがちです。

映像は光っています。光で出来ています。

そして、光の中に何かを描くには、影が必要です。

要するに、映像は「光」と「影」で出来ているのです。

何が言いたいかというと、

つまり、

影絵アニメーションは、もっともシンプルな映像だと言っても過言ではない

ということです。

映画が誕生したのは1895年、

(細かく言うと、もう少し前に似たようなものもあったのだけれど)

このアニメーションはそれから数えて27年後に作られました。

(ちなみに、同じころに発表された映画は、

ドイツ表現主義の金字塔「カリガリ博士」(1920年)や、チャップリンの名作「キッド」(1921年)、ホラー映画の元祖「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922年)などがあります)

最も有名なシンデレラ、ディズニーの「シンデレラ」が作られたのは1950年、

この作品よりもさらに28年後のことです。

昨年公開された、実写の「シンデレラ」は、そこからさらに65年後、

ライニガーのシンデレラからは93年後、映画が誕生してからは120年後のことです。

アニメーションの母と呼ばれ、影絵アニメーションのパイオニアであり、女流作家の先駆けでもあるロッテ・ライニガー

6/2は彼女の誕生日、ということでGoogleのロゴが彼女や影絵アニメーションがモチーフになっていたことに便乗して。。。

こちらも貼り付けておきます。


Lotte Reiniger’s 117th Birthday Google Doodle

『プロンスターズ Home Sweet Home』アレクサンダー・ザプレタル

『プロンスターズ  Home Sweet Home』

アレクサンダー・ザプレタル/ドイツ/1997

上からポチョンと降ってくる登場、おどけた表情、粘土ならではの身軽で柔軟な展開、

ウー とか、 アー とか、モニョモニョ言ったりとか、

はっきりとした言葉は発しませんが、

その、ホニャララ語みたいな曖昧な言葉が

彼らをよりいっそうユニークにしていると思います。

面白い!

ポンキッキーズで流れていましたね。

懐かしい。