『スワンプ』ギル・アルカベッツ

『スワンプ』ギル・アルカベッツ/ドイツ/1991

Swamp(Gil Alkabetz)

 

スワンプ…沼
沼のタプタプ感がたまりません。
しかし、画面に沼は映りません。
画面の底辺が沼の水面に設定されていて、沼から上だけが描かれます。
シルエットだけでわかるシンプルなデザイン
水彩画の浮遊感
音の気持ちよさ
風刺画のようなトンチの効いた設定
すべての争いごとは、
このアニメーションみたいに、
本当、馬鹿馬鹿しく、滑稽なものなのかもしれない
と思えてきます。

 

『おねがい なにかいって』デヴィッド・オライリー

『おねがい なにかいって』デヴィッド・オライリーアイルランド・ドイツ/2009年

Please Say SomethingDAVID OREILLY)

 

猫と鼠のバーチャル世界。(または、女と男のバーチャル世界)

 

もしあの時こうしていたら、もしあの時ああだったら、

皆一度は考えたことがあると思います。

でも、もしやり直せたとしても、必ずいい結末になるとは限らないのです。

物語はどこで終わるかわかりません。

物語は終わっても人生は続きます。

終わったと思っていたことも、まだ続いているかもしれません。

  

カクカクで棒人間風CGの猫と鼠に、結構ズシンと考えさせられます。

結構泣けてきます。

『ナゲッツ』アンドレス・ヒュカーデ

ナゲッツ』アンドレス・ヒュカーデ/ドイツ/2014

Nuggets(Andreas Hykade)

 

キウイ(鳥)は道で見つけた黄色い塊に興味津々で、

触れてみたり、つついてみたりします。

試しに吸ってみると、何と夢見心地なんでしょう。

再び歩き始めると、同じものが落ちているのを見つけ、、、

 

シンプルなデザインと、シンプルな展開、

繰り返しと徐々に表れる変化、

 

可愛らしい絵と動きにもかかわらず、かなり衝撃的なアニメーションです。

 

『An Optical Poem』 オスカー・フィッシンガー

『An Optical Poem』オスカー・フィッシンガー/ドイツ/1938

An Optical Poem (Oscar Fischinger)
 
ディズニーの『ファンタジア』にも関わっていたという、共感覚を持つ作家、
オスカー・フィッシンガーの作品。
 
幾何学と音楽とアニメーションのシンクロ。
動きの気持ちよさ・色や形の説得力が、音楽や音色に違和感なく溶け込み
以前から知っていたかのような感覚さえ覚える。
 
そして今から80年近く前に作られた作品だとは思えないモダンさ。
 
現在のインタラクティブ表現にも通ずるものがある。

『バランス』ウォルフガング・ロイエンシュタイン、クリストフ・ロイエンシュタイン

『バランス』 

ウォルフガング・ロイエンシュタイン、クリストフ・ロイエンシュタイン

/ドイツ/1989

Balabce (Wolfgang Lauenstein,Christoph Lauenstein)

 

同じ顔、同じ背丈、同じ格好の男が5人、不安定な地面の上にバランスをとりながら立っている。

ある男が宝箱を釣り上げたことから、バランスは崩れ始め、それの奪い合いが始まる。

奪い合いにとどまらず、相手を攻撃し始めバランスは崩れ続ける。

 

青みがかったモノトーンのような色合い。

骸骨のような、お面のような、無個性な男の顔、

背中に刻まれた番号。

不穏な音。

彼らは何のためにここにいて、何をしてるのか。

 

私たちは何のために生まれ、どう生きるのか。

 

時代と国から察するに、

当時の時代背景を色濃く示しているであろうことは間違いない。

 

第62回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞作品