『5/4』イワン・マクシーモフ


『5/4』イワン・マクシーモフ/ロシア/1990

5/4 (Ivan Maximov)

 

不思議な姿の動物たちがそれぞれの性質でそれぞれの時間を過ごす。

 

普段生活している中で、とても特徴的な形状のものに出会い、

「これは何に使う道具だろう?」(道具ともわからないこともある)

と思うことがあると思います。

使っているところを見れば一目瞭然なのですが

用途もわからずただ置かれているだけだと、なにものかもわかりません。

 

このアニメーションはそれに近い感覚があります。

 

不思議な姿の動物たちが動き出した途端に、謎が一気に解決するというか、

これこれ以上にない説得力。

 

どんなふうに動くのか、どんなふうに使われる部位なのか、じーっと見てわかる、

観察映画とも言えます。

『Winnie-the-Pooh』フョートル・ヒートルーク

Winnie-the-Pooh』フョートル・ヒートルーク/ロシア/1969

 

Winnie-the-Poohこのタイトルからも察しがつくかと思いますが、

そうこれはロシア版くまのプーさん

ディズニー以外にプーさんのアニメーションがあったなんて!

 

プーさんと言えば

黄色くて、ぬいぐるみで、

のんびり、ほんわか、ぼんやりしていて、、、

 

このプーさんは、

茶色くて、タヌキみたいで、

ぼんやりしているかもしれないけど、ちょっと強引で、おじさんっぽくて、、、

 

見た目からキャラクターから、まるで違うこのプーさんに目から鱗。

 

パステル画のような柔らかいタッチの綺麗な色の背景の前で、

ずんぐりむっくりしたタヌキ型プーさんが

変な鼻歌を歌いながらピョコピョコ歩くもんだから、

逆に可愛いやら、おかしいやら。

この時点でもう、ロシア版プーさんの虜。

 

ディズニーが長年描き続けてきた

ほんわかプーさんのイメージが一瞬にして覆り、

これはこれでアリだな、と思わず顔がほころぶ。

 

ウォルト・ディズニーもこのプーさんを認めていたとか。

 

ロシア語の発音のイメージなのでしょうか、

舌をまいたり、語尾のピシャッと言い切る感じとか、

口調が妙に強く感じる。

江戸っ子なまりに近いとでも言いましょうか、

「てやんでい、ばーろー」のような、

ちょっと怒ってるようにも聞こえたり。(気が短そう)

完全に私の個人的な印象だけれども。

こんな短気そうな鼻歌、初めて聞いた!

『ママ』(ママのお買い物)ロマン・カチャーノフ

 

『ママ』ロマン・カチャーノフ/ロシア/1972

mama(Roman Kachanov)

 

可愛い幼い我が子を心配する母の愛が大きすぎる故に暴走する負の連鎖。

変な人、変な行い、変な出来事、「変」が面白おかしく描かれる。

 

しかし母の心配はよそに

子供は意外にも平気に丈夫に健やかに育つ。

親はみんな子供が心配。

 

ママの造形や仕草がスレンダーでスタイリッシュで色っぽくて

母というより女性っぽい。

うら若き新米ママの子育て奮闘記、といったところでしょうか。

 

 

おまけ

オリジナル版にはナレーションはありませんが、

かつてテレビで放送された日本語吹き替え版がありました。

(テレビ、しかも民放で放送されたらことがあったなんて!)

オリジナル版とはまた少し違った味わい。

よりコメディ色が強くなり、愉快な印象。 

『マスコット』ラディスラフ・スタレビッチ

 

 

『マスコット』ラディスラフ・スタレビッチ/ロシア/1933

  The Mascot(Ladislaw Starewicz

実写とストップモーションアニメーションの融合。

モンスターたちのユニークな造形とウジャウジャ感、

犬のぬいぐるみが実写世界で生き生きと動き回る自然すぎるアニメート、

この時代にどうやってやったのか不思議なモーションブラー。

ティム・バートンの『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に多大な影響を与えたという作品。

『ミトン』ロマン・カチャーノフ

『ミトン』ロマン・カチャーノフ/ロシア/1967年

Varezhka(Roman Kachanov)

子犬を飼っている友達が羨ましくてたまらない女の子は、友達に子犬を借りてこっそりうちに連れて帰る。しかしすぐに母親に見つかり、こっぴどく叱られ、子犬を飼い主に返されてしまう。悲しみにくれた女の子は、寂しさを紛らわすため自分の手袋を子犬に見立てて一人で遊ぶ。するといつしか手袋は本当の子犬になって走り始める。

手袋が子犬になって動き出すシーンは、人形アニメーションならではの愛おしさがあり、何回見ても感動する。

チェブラーシカ』でおなじみのロマン・カチャーノフの名作。