『失われた手袋の世界』 イジー・バルタ

『失われた手袋の世界』(1/2 & 2/2)

イジー・バルタ/チェコ/1982年

The Vanished World of Gloves (Jirí Barta)

 

人類の文明の比喩で皮肉でコメディでパロディ。

 

発掘された手袋と記録フィルム。

偶然掘り起こしてしまった作業員の男。

映し出される手袋の世界。

愛憎、独裁、乱痴気騒ぎなど、

同時に男の手元がクローズアップされ、

生身の手が酒をつかみ、煙草に火をつけ、指を鳴らす。

そして、また作業に戻る。

手袋は、再び埋められる。

 

女性用の手袋は、マダムのように、優雅に小指を立て、

軍手は、薄汚れて豪快に荒々しく、

手袋たちが、本当に、よく動く。

『マスコット』ラディスラフ・スタレビッチ

 

 

『マスコット』ラディスラフ・スタレビッチ/ロシア/1933

  The Mascot(Ladislaw Starewicz

実写とストップモーションアニメーションの融合。

モンスターたちのユニークな造形とウジャウジャ感、

犬のぬいぐるみが実写世界で生き生きと動き回る自然すぎるアニメート、

この時代にどうやってやったのか不思議なモーションブラー。

ティム・バートンの『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に多大な影響を与えたという作品。

『カノン』ノーマン・マクラレン

『カノン』ノーマン・マクラレン/カナダ/1964

Canon(Norman McLaren)

 

チェス盤のような市松模様の板の上をサイコロが転がるアニメーションと、人間の実写のアニメーションの2編からなる。

動きは非常に構成的で数学的、プログラミング的。

しかし、制御された動きの中に、時折現れる不規則な動きが心地よい。

小池屋スコーンのCMや、アルゴリズム体操の元ネタ、佐藤雅彦さんが多大な影響を受けている作品であることは有名。

『パワーズ・オブ・テン』 チャールズ&レイ・イームズ

『パワーズ・オブ・テン』チャールズ&レイ・イームズ/アメリカ/1977

Powers of Ten (Charles & Ray Ormond)

 

ミクロとマクロのお話。

宇宙と細胞は似ているのかもしれない、思った。

想像もつかないくらいの巨人がいて、宇宙はその巨人の誰かの引き出しの中の秘密の空間かもしれない、と思っていた子供の頃を思い出した。

科学映像や教育映像みたいな作りが、逆に、感情の入る余地がなく、

個人的な創造や妄想が膨らむ。

『Fresh Gracamole』PES

 

『Fresh Gracamole』PES/アメリカ/2013

 

実写を用いたユニークな手法で人気のPESのアニメーション。

身の回りの似た形状のものを用いて料理をする様子が、軽快に描かれ、

榴弾や、電球など、いかにも硬そうなものが、

すばらしい切れ味でさくさく調理される様は本当に気持ちいい。

 

2013年アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート