『幽霊船』大藤信郎

『幽霊船』大藤信郎/日本/1956

美しい光のレイヤーの中、優雅に蠢くシルエット。

濃い影、薄い影、濃い色、淡い色

本当に影絵なのかと疑いたくなるほど繊細で滑らかな動きや造形の連続に
思わず目が離せなくなります。

エキゾチックな音楽と歌詞のないコーラスが美しさと恐ろしさを増長し、
明度の高い色鮮やかな映像にもかかわらず、終始不気味な雰囲気が漂います。

白昼夢や蜃気楼のような、
まるで真昼に悪夢を見ているよう。

オープニングがメイキングになっているのがユニークですね。

「シンデレラ」ロッテ・ライニガー

Cinderella (Aschenputtel) – Lotte Reiniger (1922)

「シンデレラ」ロッテ・ライニガー/ドイツ/1922

これは影絵のアニメーションです。

ところで、

映写機もプロジェクターも、強い光を放ちスクリーンに像を映し出す。

テレビもPCもスマホも町中に溢れるデジタルサイネージも、発光して像を描く。

しかし、当たり前のことすぎて、光っているということを忘れてしまいがちです。

映像は光っています。光で出来ています。

そして、光の中に何かを描くには、影が必要です。

要するに、映像は「光」と「影」で出来ているのです。

何が言いたいかというと、

つまり、

影絵アニメーションは、もっともシンプルな映像だと言っても過言ではない

ということです。

映画が誕生したのは1895年、

(細かく言うと、もう少し前に似たようなものもあったのだけれど)

このアニメーションはそれから数えて27年後に作られました。

(ちなみに、同じころに発表された映画は、

ドイツ表現主義の金字塔「カリガリ博士」(1920年)や、チャップリンの名作「キッド」(1921年)、ホラー映画の元祖「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922年)などがあります)

最も有名なシンデレラ、ディズニーの「シンデレラ」が作られたのは1950年、

この作品よりもさらに28年後のことです。

昨年公開された、実写の「シンデレラ」は、そこからさらに65年後、

ライニガーのシンデレラからは93年後、映画が誕生してからは120年後のことです。

アニメーションの母と呼ばれ、影絵アニメーションのパイオニアであり、女流作家の先駆けでもあるロッテ・ライニガー

6/2は彼女の誕生日、ということでGoogleのロゴが彼女や影絵アニメーションがモチーフになっていたことに便乗して。。。

こちらも貼り付けておきます。


Lotte Reiniger’s 117th Birthday Google Doodle