「ダンボより ピンクの象の行進」ベン・シャープスティーン

「ダンボより ピンクの象の行進」ベン・シャープスティーン/アメリカ/1941

Dumbo Pink Elephants on Parade(Ben Sharpsteen)

 

短編ではありませんが、長編アニメーションの中から有名なワンシーンをご紹介します。

ディズニーの「ダンボ」より、ピンクの象の行進のシーンです。

酔っ払ったダンボが幻覚を観る表現で用いられているのが、「ピンクの象の行進」。

お酒やドラッグにより酩酊状態になり幻覚を見ることを、「ピンクの象が見える(Seeing pink elephants)」と表現されることからこのようなシーンになったのでしょう。

黒バッグ浮かび上がる、鮮やかなピンク色。

色数は決して多くないものの、絶妙な色彩構成がとってもかっこいいんですよね。

音楽に合わせて伸びたり縮んだり増えたり減ったり変幻自在。

しかし、底抜けに楽しい!というよりは、ちょっと病的で、

真っ黒に抜けた瞳は、怖さを醸し出しています。

子供が見たら、トラウマになるかも、、、

その危ういバランスが癖になります。

 

『桃太郎 海の神兵』瀬尾光世


「桃太郎 海の神兵」瀬尾光世/日本/1945

 

タイトルと時代から察する通り、戦意高揚映画なのだけれども、

とても興味深い作品。

主人公は昔話のヒーローである桃太郎です。

桃太郎は日本画の中に描かれる天草四郎のように、凛々しく丹精な顔立ちをしています。

しかし、桃太郎以外はみんな動物なんです。

動物たちは、のらくろや、フクちゃんのような、キャラクター化された可愛らしい描かれ方をしていますが、

アップになると、時折桃太郎のような凛々しい顔立ちになることがあり、その違和感や表情にドキッとする。(あの顔は、キメ顔なのかしら?)

また、全編通して風を感じることができるのが特徴的で、

セーラー服の襟が、桃太郎の前髪が、国旗がふわっとなびき、

常に心地の良い風が吹き抜けていきます。

 

個人的に好きなシーンは、中盤の「アイウエオ」の唄のくだり。

侵略した土地で現地の人に日本語を教える、という、

今思うと不謹慎なシーンだけれど、

ほとんど「ア・イ・ウ・エ・オ」の5文字だけで進むこののシーンは

戦意高揚映画とは思えないほどおおらかで、のどかで、平和に見えます。

しかし、心で楽しいと思っても、頭のどこかで道徳的にせつないと考えてしまうシーンです。

 

今朝、

「桃太郎 海の神兵」がカンヌで上映されたという記事を見て、

久々に見たくなったので、

実はコレ、短編じゃないんですが、是非。