『幽霊船』大藤信郎

『幽霊船』大藤信郎/日本/1956

美しい光のレイヤーの中、優雅に蠢くシルエット。

濃い影、薄い影、濃い色、淡い色

本当に影絵なのかと疑いたくなるほど繊細で滑らかな動きや造形の連続に
思わず目が離せなくなります。

エキゾチックな音楽と歌詞のないコーラスが美しさと恐ろしさを増長し、
明度の高い色鮮やかな映像にもかかわらず、終始不気味な雰囲気が漂います。

白昼夢や蜃気楼のような、
まるで真昼に悪夢を見ているよう。

オープニングがメイキングになっているのがユニークですね。

「映画『めまい』オープニング」ソウル・バス


vertigo start titles

「映画『めまい』オープニング」ソウル・バス/アメリカ/1958

ヒッチコック映画『めまい』のオープニングタイトル。

顔のパーツのUPというアイデア

音楽と映像とアニメーションとフォントの絶妙なタイミングとバランスが素晴らしい。

今や、PC上でなんでもできてしまうこのご時世ですが、

この当時の状況を考えると技術的にもとても手の込んだ最先端な映像だったことには間違いないでしょう。

澄んだ潤んだ瞳の奥の瞳孔、さらにその奥底には、

いろいろな細胞や情念やはらわたが渦巻いているのです。

今日は映倫が発足した日、ということで、映画にちなんだこの映像を。

「プカドン交響楽」チャールズ・A・ニコルズ、ウォード・キンボール


Disney ’53 – Toot Whistle Plunk and Boom

「プカドン交響楽」

チャールズ・A・ニコルズ、ウォード・キンボール/アメリカ/1953

 

ディズニーの異色の短編。

この年この作品でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞しています。

ディズニーならではの愛嬌たっぷりのキャラクターではなく、

デザインされたイラストタッチの絵柄が特徴的。

色合いもおしゃれで、同時期勢いのあったUPA(「ジェラルドマクボインボイン」など)に影響を受けたのかしら。

楽器の歴史を面白おかしく教えてくれる楽しい作品。

英語がわからなくても、絵や音楽や動きなどでなんとなくわかるような気がする。

 

  • ちなみに原題の「Toot Whistle Plunk and Boom」は楽器のなる音を意味しています。

 

6月6日は楽器の日、と言うことで。

『線と色の即興詩』ノーマン・マクラレン


『線と色の即興詩』ノーマン・マクラレン/カナダ/1955

アニメーションの発明家、ノーマン・マクラレンによる実験的な作品。

フィルムに直接傷をつけたり色をのせたり、

1コマ1コマを描いていく手法「ダイレクトペイント」や「シネカリグラフ」

で作成された作品です。

一見何の脈絡もなさそうな抽象的な記号のような図柄がですが、

音のタイミングや、音質とのシンクロが素晴らしく、

色も美しく

動きの面白さ、絵柄のユニークさなど

非常に伸びやかで自由で

アニメーションの楽しさを味わえる作品です。

『小さな家』ウィルフレッド・ジャクソン

『小さな家』/ウィルフレッド・ジャクソン/アメリカ/1952

The Little House(Wilfred Jackson)

 

赤い屋根の小さな家の運命を描いたアニメーション。

時の移ろいと環境の変化を、建物や道具を擬人化することで表情豊かにユニークに描いています。

窓の目、赤い瓦屋根の髪、ポストの鼻、小さい家はずば抜けて可愛い…

 

アメリカでは、新築よりも、大切に使われている古い家の方が価値がある、

と聞いたことがあります。

 

原作は、絵本『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン作・絵 

きっと図書館で見たことがあるはず。

 

家の表情や、道具の顔など、表情がUPで移ることが多いので、

スマホタブレットなどの小さな画面見るのに向いている作品ではないでしょうか。