「虫歯のこどもの誕生日」


みんなのうた 虫歯のこどもの誕生日

「虫歯のこどもの誕生日」堀口忠彦

柔らかいタッチの絵柄とこどもの声がマッチしていてとてもほんわかしているのだけど

実際歌っている内容は実はかなり困ったこと。

虫歯になると大変だという教訓を、わかりやすく説教くさくなく教えてくれる歌。

虫歯のとぼけた雰囲気と、子供が一生懸命歯を磨く様子(すでに手遅れ)が、かわいい。

そして懐かしい。

堀口忠彦さん(別名とこいったさん)は、私の故郷の静岡県のテレビ局のキャラクターやアニメーションを手がけていたので、

さらに輪をかけて懐かしさ倍増。

 

『おとぎ話』プリート・パルン


『おとぎ話』プリート・パルン/1984/エストニア

Time Out(Priit PÄRN)

 

悪循環と現実逃避とめくるめく風刺の嵐。

 

たぬきくん(アライグマかな?ネコにも見える。)は、

無鉄砲すぎて全てが上手くいきません。

時間に追われて辟易しています。

混乱しすぎて時計のネジはショート、

時間が止まった瞬妄想の世界へトリップ!

突然始まるメタ表現や妄想世界にちょっとびっくり。

楽観的で能天気な音楽に調べにのせて延々続くたたみかけるような小ネタの連発に

楽しさ通り越してちょっと異常。

我に返ったたぬきくんを待っているのは、もとどおりの辟易する繰り返しの日常。

 

おとぎ話のお姫様は、いつか夢から覚めて現実にぶち当たる時が来るのです。

『タンゴ』ズビグニュー・リプチンスキー

『タンゴ』ズビグニュー・リプチンスキー/ポーランド/1980

Tango(Zbigniew Rybczyński)

ダンスのようにすれ違い、

音楽のようにの重なり合う、

楽譜のような作品です。

窓から進入する子供、食事する男、子供をあやす女、ゆっくり歩く老人、
この部屋の中に人の一生が詰まっているような、
人生の縮図のような、
繰り返しのような、そうでないような、
整っているような、不揃いのような、
単調なような、ドラマチックなような、
見た人それぞれの、妄想ストーリーが膨らんでいくのではないでしょうか。
この中に自分もいるかもしれない、
そんな気にもなってきます。
どんな人が出てくるか、
誰が何をしているのか、
いつ、何が増えたか、何が減ったか、

間違い探しの感覚で見ても楽しいです。

『ジャンピング』手塚治虫

『ジャンピング』手塚治虫/日本/1984年

JUMPING (Osamu Tezuka)

 

手塚治虫の実験アニメーション。

もしも、もの凄いジャンプ力があったら。

もしも、世界中を飛び回れたら。

「もしも」は、無邪気な発想を飛び越えて、
思いがけない世界まで連れて行ってくれます。
ドローンも、GOプロも、Googleアースもまだなかった時代です。

 

『ヴィンセント』ティム・バートン

『ヴィンセント』ティム・バートン/アメリカ/1982

Vincent (Tim burton)

 

ホラー映画の俳優として有名なヴィンセント・プライスに憧れる少年の苦悩。

あまりにも子供らしからぬその嗜好は誰にも理解されず、むしろ避難され、少年は情緒不安定に陥っていきます。

不安や恐怖を煽る音楽、モノクロの映像、フィルムの質感など、

昔のホラー映画のような雰囲気を漂わせ、ドイツ表現主義のようなデザイン的で明暗の強い色彩と照明が、おどろおどろしさを際立たせているのだけれど、

細い足首やとがった鼻や顎など、

イラストをそのまま立体に起こしたような人形の造形が個性的でとても可愛らしいのです。

犬も、猫も、人間も。

 

ナレーションは実際にヴィンセント・プライスが行っており、

もしやこれは自伝なのかしら、と勘ぐりたくなりますね。。。