『大いなる河の流れ』フレデリック・バック

『大いなる河の流れ』フレデリック・バック/カナダ/1993年

Le Fleuve aux grandes eaux(Frédéric Back)

 

セントローレンス河にまつわる自然・生命・文化・歴史・人々 が描かれた、色鉛筆画によるアニメーションです。

自然の雄大さ、歴史の深さ、に比べたら人間の歴史はちっぽけかつ愚かなもので、たくさん間違いながらも進展してゆく様が伺えます。

水中生物がテーマの自然作品かと思いきや、文明発達の歴史に移り、気づけば環境問題を交えた社会派ドキュメンタリーとして幕を閉じる。河を通じた多角的な視点が展開されます。

しかし、なんといっても冒頭の水中描写が秀逸で、優雅に泳ぎ回る水中生物と交差する水泡のきらめきが、今流行のネイチャードキュメンタリー顔負けの美しさ。色鉛筆のタッチの細かさが、しぶき・きらめき・水泡の描写に絶妙にマッチし、リアリティを超えた幻想的な水中世界を生み出しています。

夏の暑さも冷やしてくれそうな、雄大な蒼。偉大な体感できます。

「お坊さんと魚」 マイケル・デュドク・ドゥ・ビッド


「お坊さんと魚」

マイケル・デュドク・ドゥ・ビッド/フランス/1994

 

音楽に合った抑揚たっぷりのコミカルな動き、

陰影のはっきりとした線、

滲んだような背景、

色調を抑えたセピア調の色合い、

 

魚を捕まえたいお坊さんと逃げ続ける魚

 

単純なストーリーでありながら見る人を飽きさせない数々工夫。

 

物語の展開にはちょっと複雑な思いや余韻が残り、

絶妙なバランスと魅力を持った作品です。 

『プロンスターズ Home Sweet Home』アレクサンダー・ザプレタル

『プロンスターズ  Home Sweet Home』

アレクサンダー・ザプレタル/ドイツ/1997

上からポチョンと降ってくる登場、おどけた表情、粘土ならではの身軽で柔軟な展開、

ウー とか、 アー とか、モニョモニョ言ったりとか、

はっきりとした言葉は発しませんが、

その、ホニャララ語みたいな曖昧な言葉が

彼らをよりいっそうユニークにしていると思います。

面白い!

ポンキッキーズで流れていましたね。

懐かしい。

『5/4』イワン・マクシーモフ


『5/4』イワン・マクシーモフ/ロシア/1990

5/4 (Ivan Maximov)

 

不思議な姿の動物たちがそれぞれの性質でそれぞれの時間を過ごす。

 

普段生活している中で、とても特徴的な形状のものに出会い、

「これは何に使う道具だろう?」(道具ともわからないこともある)

と思うことがあると思います。

使っているところを見れば一目瞭然なのですが

用途もわからずただ置かれているだけだと、なにものかもわかりません。

 

このアニメーションはそれに近い感覚があります。

 

不思議な姿の動物たちが動き出した途端に、謎が一気に解決するというか、

これこれ以上にない説得力。

 

どんなふうに動くのか、どんなふうに使われる部位なのか、じーっと見てわかる、

観察映画とも言えます。